広島県福山市の片隅にある、
就労継続支援B型作業所「トテチテタ」。
今日ものぶさんは、木工室で
鞆の浦のお土産品づくりを見守っていた。
木の香りがふわっと漂う、
なんとも落ち着く場所だ。
今日の主役は、説明が聞こえないミナミさん
ミナミさんは、最近作業の取り掛かりが遅い。
のぶさんが声をかけても、反応がワンテンポ遅れる。
「ミナミさん、今日はこのパーツを」
「え? あ、はい!」
(あれ?聞こえてない?)
のぶさんは少し焦った。
水面上だけ見ると、説明が入らない人
のぶさんは、目に見える行動だけを見ていた。
- 説明が頭に入らない
- 作業の開始が遅い
- 返事が遅い
(どうしたらいいんだろう)
焦る気持ちが先に立つ。
水面下には耳からの情報が苦手という特性があった
昼休憩のとき、ミナミさんがぽつりと言った。
「のぶさん、説明が音だけだと、
途中でどこかに飛んでいくんです」
のぶさんはハッとした。
(耳からの情報入力が苦手だったんだ!)
ミナミさんは続けた。
「文字も苦手で
説明を聞いても、頭の中でイメージが作れなくて」
水面下には、
- 耳からの情報が入りにくい
- 文字だけではイメージができない
- 説明の途中で情報が抜ける
という特性があった。
のぶさん、対策を考える(そして少し失敗する)
翌日、のぶさんは張り切って
「図解つきの説明カード」を作った。
しかし
「のぶさん。この絵、なんか怖いです」
(えっ!?)
のぶさんが描いた木材の図が、
なぜかホラー映画のポスターみたいになっていた。
「いやいや、これは木材の断面図で
なんでこんな迫力が」
のぶさんは自分の画力の水面下に気づいた。
それでも、改善は進む
のぶさんは絵を描くのをやめ、
写真と簡単な矢印だけの説明カードに変更した。
すると
「これなら分かりやすいです!」
ミナミさんは、
作業の取り掛かりがスムーズになった。
のぶさんの学び
のぶさんは思った。
説明が入らないのは、やる気の問題じゃない。
耳からの情報が苦手という水面下の理由がある。
その人に合った伝え方を探すことが大事なんだ。
トテチテタの木工室には、
今日も木の香りと、
ゆっくりと前に進む人たちの物語が流れている。




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