神様とコンピュータを同じテーブルにつけて比べるのは好ましいことではありません。が、今回は簡単にできると思われるのに難しい乱数発生について紹介します。きっと、コンピュータの限界をわかっていただけるのではないかと思います。

コンピュータでつくる乱数とは?

乱数発生装置
乱数発生装置

乱数とは、ゲームなどで奇想天外な動きを生み出すために用いられる数字のことです。

敵が右に曲がるか左に曲がるか、とか。

たとえば野球ゲームでピッチャーの投げたボールがストライクとボールの繰り返しだったら、面白くないですよね。

ゲームプレイヤーにパターンを見破られないよう、いろんな数字を繰り出していくことを乱数発生といいます。

乱数が疑似乱数になってしまうコンピュータ

コンピュータが作り出せる乱数は疑似乱数と呼ばれています。

乱数に似せた数字の羅列という意味です。

コンピュータが乱数を発生させる方法は、無茶苦茶に見えるよう基になる数字に計算を繰り返して導き出しています。

具体的にはよく知らないのですが、たとえば、13で割るとか、7で割るような方法です。

ゲームでは大活躍の乱数

私は中学生のころN88ベーシックでシューティングゲームを作って遊んでいました。

N88ベーシックにはランダム命令があって、

I = RND(1)

のような書き方をすると、変数I(アイ)に0以上1未満のランダムな数字(0.3672のような小数)が代入できました。

それで、0.5未満なら右へ、0.5以上なら左へ、標的を動かしたりするのですが、このままだとこのゲームはすぐに飽きてしまいます。

疑似乱数のパターンが見破られるとゲームに飽きる

なぜかというと、乱数のはずだったのにゲームにするとパターンが読めてしまうからです。

このランダム命令には、パターンの変更もできて、うろおぼえですが当時10パターンまで変更できたのではなかったかと思います。

それで、ランダム命令のパターンをランダム命令で指定すると、乱数のレパートリーをさらに10倍に増やすことができました(それでもゲームのパターンが読めてしまいました。私が単にゲームのしすぎだったのかもしれません)。

コンピュータで乱数を作る今どきの工夫

コンピュータの乱数は結局、計算式で算出していますので、毎回同じ計算結果になります。

忘れたころにパターンを繰り返すので本当の乱数ではないのです。

でも、何かの実験をしたりシミュレーションをするときには本当の乱数が必要なケースもあります。

そのような場合はどうするかというと、コンピュータの外に乱数を発生させる機械を作ります。

乱数発生器

本当にランダムな乱数を作るというのはかなり難しいそうです。

必ずパターンが出てきてしまったり、かたよりが出てきてしまうからです。

大企業や大学の研究機関は今でも、本当の乱数を発生する機器を研究しています。

プログラム単体で本当の乱数を生成することはできませんので、自然現象を利用した乱数発生器があります。

ような方法です。

ご興味があれば、ネットで「乱数発生器」を調べてみてください。

自然現象を利用する乱数発生器

自然現象を利用した乱数発生器は、コンピュータに紛れ込む(電磁波)ノイズを観測して、それを乱数の種(乱数のパターンのこと)にして乱数を発生させます。

この方法ですが、奇妙で不思議な現象も確認されています。

人間の意識が乱数発生器に影響を与える?

不思議な現象というのは「人間の意識が乱数発生器に影響を与える」というものです。

都市伝説っぽい話ですが、この現象については、優秀な研究者を多く輩出している、かの有名なプリンストン大学で長年研究されています。

「WIRED(ウイヤード、変という意味)」という雑誌のサイトに記事があります。

ご興味があればリンク先もご覧ください。

プリンストン大学工学部の特異現象研究プログラムでは、人間の意識が機械に与える影響を測定する試みを1979年以来続けてきた。数百万回に上る実験の中から、心が機械と「対話」できる可能性を示す、小さいけれども「統計的に有意な」結果を検出したという。
「心が機械に影響を与える」研究 プリンストン大学

この研究はいまでもプリンストン大学で続けられています。

世界の各所に設置されている乱数発生器で生成される乱数に人間の意識がどの程度作用するのか、リアルタイムで公開もされています(下記引用リンクをご覧ください)。

「人間の意識が一貫性を持つようになると、ランダム システムの動作が変化する可能性があります。量子トンネル効果に基づく乱数生成器 (RNG) は、完全に予測不可能な 0 と 1 のシーケンスを生成します。しかし、大きな出来事が何百万もの人々の感情を同期させると、RNG のネットワークは微妙に構造化されます。この影響が偶然によるものである確率は 1 兆分の 1 と計算されます。この証拠は、あらゆる文化の賢者によって説明された意識の統一フィールド、つまりノウアスフィアの出現を示唆しています。」
The Global Consciousness Project Meaningful Correlations in Random Data

ということで、本当に本当の乱数を発生させる、というのはこの宇宙では無理なのかもしれないですね。

神様しか本当の乱数を発生できない

コンピュータでは乱数のパターン(種)を作るために自然現象を利用していました。

スーパーコンピュータでも単体では予測不能な乱数を作ることができません。

それに偶然の出来事と思っていることも、神様が作られた疑似乱数かもしれません。

人類の目には、偶然としか見えなくても。

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